「子どもがなかなか勉強に集中してくれない…」と悩んでいませんか?
勉強は、習慣化してしまえばこっちのもの。
「でも、それができれば苦労しないんだよね…」という親御さんの声が、今にも聞こえてきそうです。
勉強を習慣化するために、私がおすすめしたいのは「リビング学習」。
リビング学習とは、子どもが自分の部屋ではなく、リビングやダイニングなどで勉強することです。
テレビ番組や雑誌で取り上げられて、話題になりましたね。
特に、家での勉強習慣を身につける小学校低学年~中学年のお子さんにおすすめの勉強法です。
「リビングにはテレビやゲームがあるし、集中できないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
いえいえ、リビング学習は子どもの集中力を高めて学力アップを目指す、効果的な勉強法です。
しかし効果的な学習時間を過ごすためには、工夫が必要なのも事実です。
今回は、リビング学習のメリット・デメリットと、リビングを片付ける際のポイントまで解説します。
リビング学習のメリット
勉強の習慣化ができる
仕事や家事などに取りかかるのがおっくうで、つい後回しにしてしまうことってありますよね。
「今見ているテレビ番組が終わったら」「あと5分だけ休憩したら…」とくり返して、ずるずると自分を甘やかしてしまいがち。
大人でもそうなので、子どものやる気が出ないのは当たり前。
面倒なことは、取りかかるまでのハードルをできるだけ下げてあげることが重要です。
例えば、夕飯を食べた後にそのままダイニングテーブルで勉強を始めるのはどうでしょうか。
夕飯前に宿題や筆記用具を用意しておけば、スムーズに取りかかれます。
子どものやる気が削がれる前に勉強を始められる環境を作っておくと、無理なく習慣化できますよ。
集中力が上がる
1人きりの空間より、誰かに見られている方が人は集中できます。
周囲に人がいることで、適度な緊張感が生まれるんですね。
親御さんに見守られているという安心感も、子どもの集中力につながります。
分からない箇所があって手が止まってしまった時も、親御さんが気づいて声をかけてあげられるというメリットもあります。
また、雑音に慣れるという練習にもなります。
リビングやダイニングで勉強すると、家族の生活音が耳に入ります。
他人の立てる物音を気にせずに集中できる能力は、学校の試験や受験の際に役立ちますよ。
親子のコミュニケーションが増える
1日の中で、子どもと過ごせる時間は多くありません。
リビング学習することで、掃除や料理などの家事をしながら子どもを見守れるというメリットがあります。
子どもの口から学校生活のようすを聞いたり、勉強が終わった後に家族団らんの時間を過ごしたりできますよ。
子どもの側からしても、分からない問題が出た時、すぐに質問できる環境があるのはいいことです。
子ども部屋で勉強している時に、わざわざリビングに降りて質問する子どもはほとんどいません。
勉強のつまずきを早めに解消できるのも、リビング学習のいいところです。
リビング学習のデメリット
兄弟ゲンカ・親子ゲンカになりやすい
兄弟がいる家庭の場合、同じ空間で勉強しているとケンカになることも。
特に勉強中は解けない問題が出たり、1人は集中しているのにもう1人が飽きてダラダラし始めたりと、ケンカのリスクが高まります。
同じテーブルで勉強する時は、集中できるように仕切りを作るなどの工夫が必要です。
もしリビングに勉強机を置く場合は、机の距離を離す、背中合わせに机を配置するなども効果的ですね。
部屋が散らかる
リビングやダイニングは、本来、ご飯を食べたりくつろぐ場所。
そこに勉強道具を持ち込むので、必然的に物が散らかりやすい傾向にあります。
「勉強後に片付けるところまでが1セットだよ」と教えることが重要です。
子どもが自分で片付けられる収納グッズを用意してあげるのもいいでしょう。
リビング学習の注意点
集中できる環境を作る
リビングやダイニングには物が多く、テレビやゲーム、おもちゃなどもあります。
子どもが勉強に集中できるように、誘惑に負けそうなものは視界に入れない工夫が必要です。
例えば、テレビに背を向けた位置に座ることや、おもちゃは引き出しの中に片づけてから勉強を始めるなどです。
勉強机ではなくダイニングテーブルなどで勉強する場合は、机と椅子の高さにも注意しましょう。
元々作業をするために作られた家具ではないからです。
子どもの姿勢が悪いと気づいたら、椅子の高さを調節してあげてください。
照明の明るさも重要です。手元が暗いと集中力が下がるだけでなく、視力の低下を招きます。
部屋全体の照明を明るくしたり、昼光色に変えると有効です。
他にも、持ち運びできるデスクライトを用意するのもいいでしょう。
静かに見守り、声かけする時は褒める
リビング学習は、子どもが勉強する様子を見守れるのがメリット。
しかし、子どもの学習態度や勉強のスピードが目につき、つい口出ししたくなってしまうことも。
特に最初のうちは、子どものやる気が続かなくてすぐにだらけてしまうことも多いです。
しかしリビングでの勉強が習慣になると、集中できる時間も少しずつ長くなっていきます。
まずは問題集と向き合っているだけでよし、と思って根気強く見守るように心がけてみましょう。
子どもが「ここが分からないんだけど」などと声をかけてくれたら、家事の手を止めてサポートするという距離感を保つのがベスト。
勉強に集中できたり、問題が解けた時にしっかり褒めて喜ぶことも重要ですね。
勉強前後に片付けを習慣化する
リビング学習のデメリットは、物が散らかること。
これは親御さんにとって悩みの種ですが、子どもにとっても解決すべき問題です。
なぜなら片付けができるかどうかは、やる気に直結するから。
散らかった空間にいると、判断力が低下します。
例えば宿題をする時も、どの教科をどの順番でこなせばいいのかが分からなくなります。
プリントが1箇所に収まっていないと、明日提出する宿題を見逃してしまうことも。
物を管理することは、時間や気持ちをコントロールすることにもつながるのです。
リビング学習の片付け3つのポイント
モノの定位置を決める
何をどこに置くか、モノの定位置を決めてあげることが重要です。
決まった場所に戻せるようになると、探し物が減ります。
大人が探し物に費やす時間は年間150時間といわれています。
ギョッとする数字ですが、1日あたり24~25分といわれると、決して非現実的とはいえません。
モノの定位置を決めると時間を無駄にせずにすみます。
「どこにやったっけ?」と探している間に、子どものやる気がなくなってしまう、ということも減ることでしょう。
モノの定位置を決めたら、ラベルを貼って戻しやすい工夫をしてあげると効果的。
100円ショップで売っているラベルにマジックで書いたり、マスキングテープを使ってかわいく仕上げるのもいいですね。
持ち運びできるようにする
勉強に使うテキストや文房具は、1つにまとめて持ち運びできるようにしましょう。
試験前だから静かな環境で集中したい時、自室でオンライン学習する時など、リビング以外の場所で勉強する機会もあるからです。
場所を移動できるようにまとめておくと、ご飯前などにすぐ片付けられます。
最近は、勉強グッズをまとめて収納できるバッグなどが販売されています。
他にも、持ち手がついたプラスチックケースなどにまとめるのもいいですね。
子ども自身が持ち運びできる重さ・サイズのグッズを選びましょう。
子どもが自分で片付けられる仕組みを作る
モノの定位置を決めたり、収納グッズを選ぶ時は、子どもと話し合って決めましょう。
実際に片付けをするのは子ども自身なので、本人が片付けやすく、収納しやすい工夫が必要です。
片付けが苦手な子どもほど、親御さんがかわりに片付けることが多いでしょう。
しかし、片付けは自分で行うことに意味があります。
テキストやプリントを整理することで、勉強する際に自分で優先順位をつけられるようになります。
モノを整理する能力は、物事を論理的に考える能力でもあるのです。
勉強と片付けは、密接につながっています。
ぜひ、子どもが自分で片付けできるようなサポートをしてあげましょう。
まとめ

今回は、リビング学習のメリット・デメリットと片付けのポイントについて解説しました。
リビング学習を習慣化するには工夫が必要ですが、うまくいけば子どもの集中力や成績がグンとアップする勉強法です。
リビング学習で散らかりがちな勉強道具は、スッキリ片付けられるように子どもと相談してルールを決めるのがおすすめ。
親子のコミュニケーションを取りながら、充実した家庭学習時間を過ごしてくださいね。