この度、整理収納アドバイザー1級に合格しました。
そこで、2級講座の受講から1級合格までの過程を振り返りながら、反省点についても書いていきます。
整理収納アドバイザーの資格取得を検討している人、これから受験する人の参考になれば幸いです。
整理収納アドバイザーとは?

整理収納アドバイザーとは、物や部屋が片づかない原因を根本から解決する、整理収納のプロフェッショナルのことです。
現在、整理収納アドバイザー1級を取得している人は12,000人を超えています。
整理収納アドバイザーに向いている人・向いていない人

整理収納アドバイザーは、国家資格ではありません。
特定非営利活動法人のハウスキーピング協会が主催しています。
合格率も比較的高いことから「取得しても意味がないのかな…」と迷う人も多いのではないでしょうか。
ここからは、整理収納アドバイザーの資格取得に向いている人・向いていない人について解説します。
整理収納アドバイザーに向いている人
- 整理収納のスキルを基礎から学びたい人
- 片づけ方法を教えるスキルを身につけたい人
整理収納アドバイザー資格は2級、準1級、1級と進んでいきます。
2級を受講する人の中には、片づけが苦手で、実践できるスキルを1から学びたい人が多くいました。「片づけたいけど、何から始めたらいいか分からない」状態の人は、まず整理収納アドバイザー2級を受講してみてはいかがでしょうか。
特に会場での受講がおすすめです。
1日で取得できることや、グループで意見交換しながら片づけの実習ができるので、家ですぐに使える知識が身に付きます。
「片づけが大好き!」「プロになってすぐ仕事にしたい」という人ばかりではないので、安心してもらえたらな、と思います。
私が受講した2級講座は、終始なごやかな雰囲気でした。
また、「片づけ方法を人に教えたいけど、スキルがなくて不安」という人にもおすすめです。
私はこのタイプでした。
自分が片づけをできるようになったことで、友人や家族から「何から始めたらいい?」と相談を受けることが増えました。
しかし、うまく説明ができません。
どこから始めたらいいのか、効率のいい片づけ方法は何か。理論をしっかり学んで、周囲の片づけサポートをしたいと思ったのです。
整理収納アドバイザー1級を取得して、人に説明できるスキルが身に付きました。
片づけのステップ、物を手放せない心理などを順を追って学べたので、資格を取得してよかったと思っています。
整理収納アドバイザーに向いていない人
- 独自の片づけ方法が確立しており、人に教えるスキルを持っている人
整理収納アドバイザーの資格取得に向いていないのは、すでに自分の片づけ方法が定まっている人です。
整理収納アドバイザー講座は、ハウスキーピング協会が提唱する片づけ方法について学びます。
1級実技試験も、学んだ内容をもとに片づけサポートや提案を行います。
また、1級取得後にアドバイザーとして活動する際も、「整理収納アドバイザーです」と名乗る限りは、教わったことをベースに片づけサポートを行うことになります。
すでに自分の片づけ方法が確立して、教えるスキルが身についている人は、資格取得をしなくてもいいでしょう。そのままプロとして活動できます。
世の中に、片づけサポートを行っている人や、片づけ関連の書籍を出している人はたくさんいます。
その全員が整理収納アドバイザー資格を持っているわけではありませんしね。
整理収納アドバイザー1級取得までのステップ

整理収納アドバイザーと名乗るためには、1級資格の取得が必要です。
私が整理収納アドバイザー1級を取得するまでに、実際にかかった期間、講座内容、費用について、まとめました。
期間と講座内容
2級
整理収納アドバイザー2級では、整理の考え方・具体的な 整理の方法・実践的な収納のコツについて学びます。
講座はオンラインと会場受講の2種類。期間はどちらも1日です。
私は2021年11月に、近くの会場で受講しました。
受講者は私を含めて4人。「片づけが苦手で…」という方もいたので、休憩時間に収納の相談やおすすめ収納グッズの話をして盛り上がりました。
講師の方も実際の事例を交えて説明してくださったので、今すぐ使える知識が身に付きました。何より楽しかったです。
少しでも興味があるな、と思った方にはぜひ受講してほしいです。
準1級
私が準1級講座を受講したのは2022年1月。2級講座を受けてから2ヶ月後です。
準1級認定講座は、片づけに関する深い知識が身に付きます。
自分が片づけをするというより、人に教えるためのスキルを身に付ける講座です。
2級講座を受けて「もっと片づけについて学びたいな」「人に教えられるようになりたい」と思った方におすすめ。
もちろん、整理収納アドバイザーとして活動したい人も受講しましょう。
2級講座で学んだ「片づけのルール」を復習しながら、さらに掘り下げた知識を学んでいきます。
基本的には、配られるテキストに沿って授業が進みます。
講座の中で何度か実践練習があるので、グループで相談しながら、適切なアドバイスについて考えます。
私が受講した時は、子ども部屋のクローゼット収納についてでした。
片づけ方法だけでなく、クライアントの生活スタイルや希望をうまくヒアリングする方法なども学ぶので、内容はみっちり詰まっています。
講師の方も、実際にクライアントさん宅に行った時の成功事例やトラブルの話、アドバイザーとして仕事を広げていく方法について話してくださいました。
準1級講座を受講して、「自分が整理収納アドバイザーとして活動するならどうするか」を具体的に考えられるようになりました。
1級1次試験
準1級講座まで受講した後、1級を取得するためには試験を2回受験します。
1次試験は、CBT受験と会場試験の2種類に分けられます。
それぞれの違いは以下の通りです。
場所 | 回答方法 | 合格発表 | |
CBT受験 | CBT受験できるパソコン教室など | パソコン | 即時 |
会場受験 | 全国の会場 | マークシート | 1ヶ月後 (サイトでの発表) |
CBT受験・会場受験の両方共通の項目は以下の通り。
- 出題数:100問
- 出題内容:準1級認定講座のテキストから出題
- 試験時間:60分
- 合格基準:70点以上合格
- 合格率:70~80%
- 取得期限:期限なし(準1級認定講座受講日から2年以内を推奨)
私は準1級講座を受講した1ヶ月後、2022年2月にCBTで受験しました。
なるべく早めに受験しないと、学んだ内容を忘れそうだったからです。
勉強期間が短いのは心配でしたが、その分、集中して取り組めたのでよかったです。
1級2次試験(研究発表)
1級1次試験に合格してから5ヶ月後、2022年7月に受験しました。
私の仕事繁忙期などが重なり、当初予定していたよりも受験日が遅くなってしまいました。
一緒に2次試験を受験した方は、1次試験を受験してから2~3ヶ月後という方が多かったです。
ハウスキーピング協会によると、1級2次試験の受験期限はないとのこと。
準1級認定講座受講日から2年以内を推奨しています。
ちなみに、1級2次試験合格率は80~90%といわれています。
2次試験の内容は「実作業編」と「提案編」に分けられます。
私は実作業編を選択しました。実際に片づけアドバイスを行って、過程や結果を資料にまとめます。
他の方のお話を聞いていても、実作業編の方が資料作成がしやすいとのことでした。
私が受験した時はプレゼンテーション方式で、会場での受験でした。
しかし、今後は全てオンラインでの試験となるようです。
オンライン試験は、研究発表と口頭試問方式。研究内容の発表後、試験官からの質問に答える仕組みです。
実作業編・提案編から選択するのは従来と同じで、作成資料は事前提出となります。
オンラインでの研究発表(10分)と口頭試問(5分)の計15分。
研究発表のテーマ決め・研究内容・資料の作成方法は、ハウスキーピング協会の「研究発表作成の手引き」を読み込みましょう。
合格発表
合格発表は郵送で届きます。私は2022年8月に届きました。
2次試験を受験してから約1か月半後、と聞いていたので思っていたよりも早くてびっくり。
2次試験が終わった後、試験官の方から「実は、郵送で届く前にハウスキーピング協会サイトのマイページで確認できます」と聞いていました。
そわそわして何度かマイページを見に行くと、認定番号が!
郵送で実際に認定証が届いてからやっと実感できました。
合格していると思うけど、本当にこの場所に記載してある認定番号で合っているのか、不安だったので…。マイページには、それくらいひっそりした表記だったんです。
費用
ここからは、整理収納アドバイザー1級取得までにかかった費用についてまとめました。
私が受講・受験した時点のものなので、今後は変更になる可能性もあります。
詳しくはハウスキーピング協会サイトで確認してくださいね。
2級
2級講座は1日の受講で、テキスト代込み24,700円でした。
準1級
準1級講座は、早割で申し込んだので32,670円。
2級受講後1カ月以内に申し込むと、この価格になります。通常だと36,300円です。
1級1次試験
1級1次試験は、CBT受験の早割価格で16,500円でした。通常価格は18,700円です。
1級2次試験(研究発表)
会場受験で13,200円。現在はZOOMでのオンライン受験なので、19,800円となっています。
費用合計
整理収納アドバイザー1級取得までにかかった費用は、88,270円。
2級・準1級の受講料と1級1次試験・2次試験の受験料、1級1次試験対策のオンライン学習サイト費用の合計です。
正直、安い金額ではありません。
私は最初から「整理収納アドバイザーとして活動するぞ」と決めていたので迷わず取得しました。
迷っている方は、まず2級講座を受講してみて、次に進むかを決めるといいかな、と思います。
整理収納アドバイザー1級取得は難しい?

ここからは、整理収納アドバイザー1級試験について、詳しく掘り下げます。
私も、受験する前は分からないことが多くて不安だったので、他の方のブログをたくさん検索していました。
実際の勉強方法や、2次試験の資料作成、反省点などについても説明していきますね。
1級1次試験の勉強方法
私は、1級1次試験対策オンライン学習サイトを利用しました。
通常2,400円ですが、ちょうどキャンペーン価格で1,200円になっていました。
キャンペーンは頻繁に行っているようなので、今から受験する方はぜひチェックしてください。
オンライン学習サイト、利用して正解でした。
最初はサイト利用せずに、テキストを読み込んで臨めばいいかな、と思っていました。
しかし、実際の出題形式に近い演習を経験した方が、本番に焦らないだろうということで、サイト利用を決めました。
その結果、冷静に試験を受けられました。
少し捻った出題傾向もあるので、サイトの問題を解いて慣れておくのがおすすめです。
勉強期間は2週間ほど。勉強方法は、家と外出先によって変えていました。
家では、テキストを捲りながら音読しました。
外出先では、主に通勤中や会社の休憩時間に、サイトで問題演習をくり返して復習。
難易度はそんなに高くないですが、テキストを丸覚えするだけでは足りません。
片づけのステップや理論をしっかりと理解して、順序を頭に染み込ませることが重要です。
1級2次試験(研究発表)の内容
1番気になるのが、1級2次試験の研究発表ですよね。
次回以降は発表形式が変更になるので、私の経験がまるっと使えるわけではないと思います。
しかし重要視されるポイントなどは同じなので、参考にしてください。
私は「実作業編」を選択して、友人宅の洗面所を片づけサポートしました。
資料作成は、パワーポイントで行いました。具体的なページ構成は以下の通りです。
- タイトルと名前
- クライアント情報(住まい・家族構成・不満に思っていること)
整理収納の目的と問題点 - 現状
- 整理収納8つのステップ①②
- 整理収納8つのステップ③
- 整理収納8つのステップ④⑤
- 整理収納8つのステップ⑥
- 整理収納8つのステップ⑦
- 整理収納8つのステップ⑧
- クライアントの感想
実作業を行う上で、重視したのは以下の3つです。
- 学んだ片づけの理論に沿ってアドバイスする
- 写真をきちんと撮る
- 友人へのヒアリングをていねいに行う
最も重要なのは、片づけの理論に沿うことだと考えました。
1級2次試験は、実作業や提案を通して、今まで学んだことがしっかり身についているかを判断する試験です。
具体的には「整理収納8つのステップ」に基づいて進めました。
クライアントからの感想では「片づけの3大効果」に沿った感想をまとめました。
発表の時も、学んだキーワードをふんだんに使って説明しました。
たとえば「こちらのタオルは『使用頻度別』で2つにグループ化しました」や「この収納ケースには『中・下・上』の順にモノを収納しています」など。
忘れがちなのが、写真を撮ること。
片づけ前後の全体図はしっかり撮っていたのですが、細かいところでちらほら撮影漏れが…。
片づけ後の写真は、後から気づいて撮影できますが、途中経過の写真はその時にしか撮れません。
多すぎるかな?と思うくらい撮影しておいた方がいいでしょう。
実作業に入る前に、どこの写真を何枚撮影するか、大まかに決めておくのもおすすめです。
写真を撮影する際は、できるだけ明るくきれいに撮っておくと、見やすい資料が作れますよ。
他にも、やっておいてよかったなと思うのは、友人へのヒアリングをていねいに行ったことです。
資料作成後に発表原稿を考える際、資料に書いてあることを、ただ読み上げるだけになってしまいがち。
友人へのヒアリングで「生の声」を聞くことで、発表の際に2人のやり取りを交えながら発表できました。
他の方の発表を聞く際も、クライアントさんのようすや感想がリアルに感じられると、説得力がグッと増すと感じました。
まとめ

今回は、整理収納アドバイザー1級取得までの道のりについて解説しました。
私が受講する前に知りたかったことは全て書いたつもりです。
もし「この部分がもっと詳しく知りたい」などのご要望があれば、お問い合わせページからご質問ください。私で分かる範囲であればお答えします。
整理収納アドバイザー資格の勉強はとても楽しかったので、興味のある方はぜひ受講してほしいなと思っています。私の経験が、お力になればうれしいです。